古井由吉 岩波書店 2008.2.26

ムージルと虚なるもの
1可能性感覚
 「結びつき」における新しい体験
 出来事と非現実化--ムージルの『トンカ』について
2観念のエロス
 精神による実験
  1未知の兆し--『トンカ』
  2音楽の予感--『愛の完成』
  3円環の運動--『静かなヴェロニカの誘惑』
 エッセイズム--『特性のない男』
  1中間の消息
    難解と握力--翻訳が読まれなくなったわけ
    特性とはなにか
    可能性感覚
  2精神の運動
    プロセスの力学
    ある境位
  3イデーの逆説
    融合と拒絶
    球体の変容
    出席者の質問に触れての追伸
3不可能なことの非現実化
 「かのように」の試み
 循環の緊張