フェルナン・ブローデル 藤原書店 2005.5.30
序文 モーリス・エマール
第一部 世界の尺度としての歴史
第一章 三つの定義--出来事、偶然、社会
出来事の歴史 偶然の部分 歴史学と社会科学
第二章 世界を捜し求める歴史学
歴史学と歴史家の位置 歴史の分割は、世界の分割か?
第三章 歴史地理学--社会、空間、時間
地理学、未完の学 ドイツ地理学の三項目--空間、経済、社会 空間はそれ自体変動するのか 歴史地理学の二つの意味 世界の一体性--産業革命の地理的側面
第二部 最も大きな歴史に向かって
1 歴史経済学のために
2 歴史学の責任
3 歴史学と経済学--非連続の問題
4 歴史学の帝国主義
5 長期持続
歴史学とさまざまな持続 短期の時間をめぐる論争 コミュニケーションと社会数学 歴史家の時間、社会学者の時間
6 歴史学と社会学
7 文明の歴史--過去が現在を説明する
1 文明と文化
これらの言葉の起源と運命 定義の試み
2 歴史は十字路に立つ
必要な犠牲 定めるべき基準 歴史学と人間諸科学の対話のために 専門家同士の境界を打破すること
3 現在に向き合う歴史学
文明の寿命 世界を貫く単一性と多様性が不変であること 現在の時間を規定する諸々の大変革 諸文明を超えて
8 社会史の一つの考え方について
「モデル」に還元された(十一世紀から十八世紀における)西洋の特性 西欧とロシア 社会史とは何か
9 経済と社会--近代史家による考察
第三部 一つの著作が仕上がるまで
第一章 『地中海』以前
1 『地中海』序文
2 貨幣と文明 スーダンの金からアメリカ大陸の銀まで--地中海のドラマ
第二章 物質文明と資本主義をめぐって
1 ヨーロッパの拡大と資本主義(1450-1950年)
1 世紀単位の傾向と長期的総括
航海、および世界の一体性 世界人口の増加 ヨーロッパ経済の長期的発展 資本主義のリズム 遠隔地交易 打算的精神 資本主義の進化 青春、壮年、老衰
2 1450年から1650年の危機と破局
フィレンツェのルネサンス 1540年以後--アメリカ大陸の銀がヨーロッパに氾濫する 十六世紀中葉のヨーロッパ危機 第三の十六世紀
結論
2 近代における黎明期海上の交易と覇権
3 資本主義の社会的起源について
4 ヨーロッパの拡張と長期持続
5 一七八四年以後の都市=世界
第三章 未完の『フランス史』
1 コリニー提督とその時代
2 フランスにおける宗教改革の拒否
3 『フランスのアイデンティティ』(第三部「国家・文化・社会」)
---最も高く最も輝かしい歴史におけるフランス
序
第一章 国家は絶対至上なのか
1 恒久性・規則性・反復
原始社会まで遡る マックス・ウェーバーは正しい 恒久性の法則または規則 少数にまつわる不思議、笑話 市民社会と政治社会
2 国家 基盤と方途
権力--その特異性
第二章 単数と複数の間にある文明
1 下部と上部
いわゆる民衆文化を「歴史化」しなければならない 魔術 フランス語がフランスを征服する ラブレーあるいは民衆のカーニヴァル的笑い
2 息の長い現象
第一の面--受容 第二の面--拒否 第三の面--逡巡 第四にして最後の面--奇跡あるいはありきたりの規則性、フランス文化の光輝と優越性
3 行為者と偶然--産業生産
少人数グループが王者である 文化と社会 文化の変動局面は存在するか フランス・キリスト教・キリスト教世界