仲正昌樹 双風舎 2007.8.1

1 「大きな正義」の落とし穴--アドルノの思想を読む
  ・「物」の超越性
  ・内面性(インテリア)の哲学
  ・物象化の歴史
  ・「大きな正義」ではなく「小さな道徳」を
  ・「啓蒙する理性」によって顕在化する文明の野蛮性

2 「進歩」は「回帰」であることへの「目覚め」--ベンヤミンの思想を読む
  ・自己意識の呪縛
  ・移ろいゆく「自然」
  ・ファンタスマゴリーの中で生きる人間
  ・「目覚め」のための論理
  ・「回帰するもの」による呪縛

3 「人間」の限界--アーレントの思想を読む
  ・「人間」の虚構性を探る
  ・「悪」の陳腐さ
  ・非マルクス主義的な「帝国主義」観
  ・ラディカルな「共和主義」
  ・脱「人非人」の思想

4 「死」のエクリチュール--デリダの思想を読む
  ・「エクリチュール」とは?
  ・エクリチュールによって「生かされる」物たち
  ・「責任=応答可能性」の問題
  ・「死」を与える
  ・「死」を与えるエクリチュール

5 「人間の終焉」とは何か?--フーコーの思想を読む
  ・終焉とは何か?
  ・現代思想にとっての「人間性

6 バカボンのパパは超人なのか--ニーチェの思想を読む
  ・「天才バカボン」の世界
  ・太古の混沌に憧れる思想
  ・超人になれない弱さ

7 亡霊としての「資本」--マルクスの思想を読む
  ・「疎外」とは?
  ・ルカーチの「疎外論
  ・疎外論から物象化論へ
  ・マルクスの「亡霊」たち

8 利用される哲学--ハイデガーの思想を読む
  ・哲学の「使命」
  ・「言葉」の哲学
  ・「危機の時代」の哲学
  ・存在の「あらわれ」

9 底なし理論としての精神分析--ラカンの思想を読む
  ・フロイトラカン
  ・「ファロス」と「ペニス」
  ・「イマジナリーな領域」での転換
  ・イマジナリーなものの探究
  ・無意識と「死」への欲望
  ・象徴化された「死」

10 理性の暴走に歯止めをかける--スローターダイクの思想を読む
  ・スローターダイク登場!
  ・シニカルに理性を批判する
  ・「人間性」の限界
  ・合理性の非合理性