タヒチからの手紙 坂東眞砂子 毎日新聞社 2006


確実性の収穫 バニラの花受粉後に莢が膨らみ始めた
明日は今日と同じ 魚網を引く村人たち
「僕の後ろに道は出来る」か マンゴー林を抜ける道。左手の巨木はバニヤン
短足胴長犬の情熱 自然にはセックスとその結果が溢れている。猫もまたお盛ん
夢見つつ、木を植えよ 植えて五年目のスター・フルーツ。黄金色の実がたわわに実る
鶏狩 野生の鶏を餌付けして、必要な時にワナにかけて捕まえ、食べたりする
巣探しの愉悦 リラは奇妙な踊りをしながら、みごとに野生の鶏の卵を見つけてしまう
魔法のポケット 削られた斜面に、ポム・エトワールの大木が死体のように横たわる
行動中毒者の雨宿り 激しい雨にも用意万端 
磯辺の散歩 ナマコを手に取り、白い波の砕けるラグーンの眩しさに目を細める筆者
緑の指のアメリカ人 ハリソンがかって住んでいた谷には、今もツアモツ諸島産アウティラの大木がひっそりとそびえる 
リッチな気分 パンの実は直火で焼いて調理する。薪はタヒチ料理に必要不可欠
悠久の時を飲む 満開のコーヒーの花。コーヒーの木は、陽のあたらない場所でも元気に育つ。
私の焼畑農業 枯れた木や雑草を燃やして、土地をきれいにする。火を燃やす楽しみも同時に味わえる
屹立するバナナ オレンジ色に熟れはじめたフェイ。赤紫色の幹の汁は、彫刻を黒く染めるために使われるという 
雨の日の水遊び 深い山から流れてくる川は、水量が豊富。人々の格好の遊び場だ
自然のたまもの 畑の真ん中に自生したパパイヤ。たくましく豊穣に実をつけてくれる

ミルフラン・アン マヒマヒ一匹五千フラン。タラバオの町の路傍にて
楽園の「時」の記憶 タラバオの週末の朝市で魚を売る漁師の娘
目で魚を釣るということ スーパーの横の空地で開かれる魚市場。中央の細長い魚はダツ
路傍でビジネス 路傍の店。自家製マンゴーの酢漬けを試食したが、味ときたら、いわぬが花
蛸の約束 蛸を売っている威勢のいい娘。いつもは庭師をしているという
仲間入りはしたけれど 魚だけでなく、自家製惣菜も売っている
ガソリンスタンドの魔術 養女志望の「ガソリンスタンドの彼女」
ジュリアンと糞ったれフンダイ 外見はおんぼろでもまだまだ走れるフンダイ・シットとジュリアン
ジュリアンの青春 池の周囲に落ちたココナッツの葉を拾うジュリアン
仕事獣の息抜き レストランのレレ
トマト泥棒 庭に自生しているバナナ。木ごと切り倒して収穫する
ヒナと贋金 パペエテの街中
五つ児の母 「五つ児の母」。店で必ず食後酒グラッパを頼むので、私たちのあだ名は「グラッパ」だとか
ロザリンダとおっぱい パペエテの海に面した大通り。いかにも夏の雰囲気を漂わせる人々が行き来する
「タイナ」の雌鳥パパ 「タイナ」のテラス席に座る若い男女。けん騒と静けさの入り混じった独特の雰囲気が漂う

こそ泥遊び 浜辺で波を待ち構える少年少女たち
暴力という解決法 一輪車も立派な寝床。この子たちの未来に、世界は‥‥
ゴミのない世界 パペエテの裏通り。無造作に棄てられたゴミが散乱する
ネコババ・フェンス タヒチで、ごく普通に見られるフェンス。石垣、防音ガラス付き塀とはほど遠い
臭いものには蓋をしろ 空家のままの現場。他の借家の住人は、何も知らないかもしれない‥‥
猫男の手練手管 人間並みに寝転がる猫
柵がなければ我らがもの 塀だけではまだ不安なのか、塀の上にびっしりと埋められたガラス片
裸足の記憶 店に裸足で入る光景はごく普通
プヌ・プアトロの呪い ホースの水で子供を洗ってやるでっぷりお父さん
湧き水とミネラル・ウォーター 湧き水を引いた外の炊事場。蛇口は後で竹筒で隠した
停電もまた楽し‥ 静かに暮れゆくタヒチの一日
生活するのは力仕事 たくましい腕をかざして、トラックの荷台で髪を束ねる女性
無人島は誰のもの ポリネシアでは伝統的に、「土地は住みついた者のもの」という考え方がある
ランギロアの幻想 ポリネシア無人島は、人のロマンをくすぐるが、その自然は人を厳しく拒絶する
平坦化という熱病 山を切り刻み、スポーツ施設を造るという。この土地のすぐ前は海。 
失われた陶酔の時 モーレア島を見晴す高台にて。著者